[ English / Japanese ]

マイクロ流路と高速ビジョンを用いた実時間赤血球硬さ評価

■アブストラクト


マラリアが寄生した赤血球が硬くなることが知られているように,赤血球硬さと疾病との関連報告があり,医療現場では統計的なデータを得るために赤血球硬さを高速で評価できるシステムが求められている.本研究では,マイクロ流路(*)の中に赤血球を通過させた時に,”硬い細胞ほど通過時間が長い”というシンプルなコンセプトにおいて,高速に細胞硬さを評価することを目的とする.
マイクロ流路を高速で流れる細胞をとらえるために,高速ビジョンを用いる.取得映像を実時間で処理することで,計測からデータ取得までタイムラグのない実時間計測を実現している. 実験から,我々は正常な赤血球よりも変形能の劣る球状赤血球のほうが5倍以上流路通過時間を要することを確認した.

* 共同研究:名古屋大学 大学院工学研究科 マイクロ・ナノシステム工学専攻 新井研究室





  赤血球の実時間計測ビジョンによるデータログ保存          赤血球の実時間計測
○ビジョンの強み
高速ビジョンを用いる最大の強みは,”実際に現象を見ている”ということにある. 細胞の流路通過時間測定という点で,リアルタイム計測を実現する方法はビジョンを用いる以外にも考えられる.たとえば,流路内での電気的インピーダンスの変化を計測する方法が挙げられる.しかしながらこの方法では,我々が得られるデータというのは「数値のみ」であり,細胞が流路内で壊れてしまった,複数の細胞が流路に進入したなど,予期せぬ事態が起こった際に,数値の変化だけでは実際にそれを確認することはできない.
一方で,高速ビジョンを用いる場合,連続する映像の中から必要とする瞬間の「映像データ」をログとして残すことが可能である.実際に,流路入口および出口で細胞の通過を認識した際のフレームをデータログとして保存しておくことで,計測後にダブルチェックが可能となり,これによって簡単に測定の確かさが100%保証される.



■参考文献

ページトップへ